人生は、クリエイティブ・ディレクション:50代からの「おしゃれの学校」

京都プラチナコレクション2019 インタビュー:小林 茂さん

靴は、しあわせのパスポート。


「京都プラチナ・コレクション」では、ファッションショーだけでなく、おしゃれがたのしくなるプチ企画をお届けします。そのひとつが、京都・伏見のコンフォートシューズショップ『靴屋楽ちん』の代表・小林茂さんと主催者・山岸加代さんのミニ・トークショー。靴はおしゃれの要であると同時に、健康とも深く関連があります。おしゃれだけど、足に合わない靴を選んで痛い思いをしたことがない人はいないのではないでしょうか。トークショーでは、靴選びのポイントを教えていただく予定ですので、どうかお楽しみに。

 

おしゃれも健康も、正しい靴選びがスタート。


ーー小林さん、簡単な自己紹介をお願いします。

小林茂さん(以下、小林)「京都・伏見でコンフォートシューズの専門店『靴屋楽ちん』を経営している小林茂です。「足元から健康になろう!」を合言葉に、ヨーロッパから輸入したコンフォートシューズとともに、足や靴に関するカウンセリングを行い、足型を測定して製作したオーダーインソールも販売しています。


ーー靴というと、女性はどうしてもファッション性優先で選びがちですが、靴のプロからご覧になっていかがですか。

小林「ファッションが好きな人ほど、そうなりがちですよね。そのために間違って歩きにくい靴を選んで、足から早く歳を取ってしまっている残念な方もおられます。正しい靴選びができて、正しい姿勢で歩くことができれば、見た目も若々しく、足の健康も維持できます。

たとえばパンプスを履きこなすには、筋力が必要です。加代さんもよくパンプスを履いておられますが、筋力をつけて鍛えておられますよね。

靴はファッションアイテムでもありますが、健康にも関わりの深いアイテムでもあるんです」


巻き爪になったら、病院は何科に行きますか。


ーー靴と健康の関わりというと、たとえばどんなことですか。

小林「いま、#KuToo運動(※1)が話題になってますが、プレーンパンプスが義務づけられている職場もありますよね。たとえば銀行員、ホテルマン、営業の方などです。

足の痛みがあるお客さまに「5cmではなく、3cmヒールにできませんか」とか「足全体を包み込むデザインではいけませんか」と聞くと「規則なので、上司に確認しないとわかりません」とおっしゃることが少なくありません。
また、「許可が出たので履いているけれど、なんとなく肩身が狭いです」というお話を聞くと、まだまだ閉鎖的なんやなと感じます。どんな職場でも、靴を自由に選べるようになるには時間がかかりそうですね。

男性の場合はパンプスじゃなく、革靴でOKじゃないですか。革靴ならラクに履けるものがあります。なぜ男性はラクな靴でよくて、女性はパンプスでなければダメなのか。現代の纏足じゃないのかとさえ思います。それはこの20年、ずっと言い続けていることですが、状況はほとんど変わっていません。女性の場合はそこがいちばんの問題点ですね

ーー女性の靴の悩みをよくわかってくださっていて、うれしいです。

小林「これについては、いい解決法があるんです。最近は靴の大切さに気づいておられるドクターもいらっしゃいます。個人的に親しくさせてもらっている皮膚科の先生がいますが、そういう病院に相談に行くのもひとつの方法です。

「シューフィッターに言われた」では会社は耳を貸さなくても、ドクターの診断であれば無視できないでしょう。「お医者さんから業務に支障が出ないよう、こういう靴を勧められたんですが」と上司に相談されて、うちの靴を履かれているお客さまがいらっしゃいます。

そして、女性のみなさんにも靴と足とからだの健康について、もっと関心を持っていただきたいんです。
いまでこそ外反母趾は整形外科へ、という認識ができてきましたが、巻き爪になったとき、病院の何科に行けばいいかご存知ないお客さまが多くて驚いています。巻き爪は皮膚科です。

巻き爪、魚の目は靴が原因であることが多いんです。足は身体の土台ですから全身の健康に影響します。からだの不調の原因が、合わない靴だと気づかないまま体調を悪化させているケースもあるんですよ」


ーーそれはつらいですね。でも、ハイヒールやパンプスをあきらめたくない人もいます。わたしもそのひとりですが(笑)。

小林「そうですね。足を痛めたら「わたし、一生パンプス履けないんですか」とガッカリされる方もいらっしゃるでしょう。ふだんのお出かけはなるべく足に負担のない靴で、晴れの舞台ではパンプスを履かれるといいと思います。でないとモチベーションが下がりますもんね」


写真:靴屋楽ちんHPより


足と靴の正しい知識を伝えたい。


ーートークショーで一緒にお話いただく、山岸加代さんの印象は。

小林「思ったことを即、実行しはる方ですよね。ふつうなら躊躇するようなことでも、スッとしはるところがあります。経験で身につけたり、人柄もあるんでしょうけど、嫌味ないんです、それが。

加代さんは「人生は後半戦がおもしろい」とおっしゃってますよね。50代、60代、70代、悔いなく生きるには、そういう思ったことをすぐ行動に移すという姿勢が大事なんだなと思います」



ーー今回お話いただくテーマについて教えてください。


小林「加代さんがCAなので、それにちなんで『靴はしあわせのパスポート』というタイトルで、お話をする予定です。

人は靴を履かないで生きていくことはできません。靴の機能面でいうと、自分の足で痛みなく歩くためには、靴が合っていることが大事です。靴の紐の締め方とか、履き慣らす必要があるとか、知っておいていただきたい靴のルールをご紹介するつもりです。

また、靴はトータルファッションの仕上げでもあります。パンプスが好きな方の気持ちや、服によってはパンプスしか似合わないコーディネートもあるのはわかります。だから足と靴の正しい情報を知ったうえで、うまく履き分けるといいと思います。

自分で履きたい靴を選んで、その靴を履いて行きたいところに行く。それはとても自由で、しあわせなことです。靴はそのパスポートなんですよ。

10分という限られた時間ですが、なにかひとつでも役に立つこと、靴を履くのが楽しくなるようなことをお持ち帰りいただけるようにしたいですね」

――ありがとうございました


※1:#KuToo運動(wikipedia)
 ※注:このインタビューは、7月15日に行いました。


【小林茂プロフィール】京都伏見生まれ。同志社大学卒業。
大阪、西山靴研究所の西山所長の師事をうけ、足型測定法・中敷作成・靴調整を学ぶ。東京フスウントインスティテュートにて、整形外科靴コース(初・中・上級)を受講。ドイツ整形外科靴マイスターのヘルベルト・テュルク先生、ルッツ・ベーレ先生より「中敷・靴の調整」「歩行・生体力学」「足の解剖学・病理学」などを学ぶ。2001年、京都伏見に「楽ちん靴工房」を創業。2006年、同じ伏見区内に新屋号「靴屋楽ちん」を移転。売り場面積を5倍に拡大。2011年、京都三条に2店舗目をオープン。2018年、三条店を本店に統合、リニューアルオープンする。

9月16日開催、京都プラチナ・コレクション2019

▼お店について、くわしくはこちらから。
靴屋楽ちん
〒612-8422 京都府 京都市伏見区竹田七瀬川町378 パデシオン1階
電話  075-646-3092     定休日 月曜日

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