量のない質はない。—森山 大道
スタイリングからクリエイティブまで、あなたの強みを“見える化”する、アドバンスト・スタイリストのやまだみゆきです。
「やっぱり本を読んだほうがいいんでしょうか」
これからスタイリングの仕事をめざす方に、ときどき聞かれます。
スタイリングに限らず、会社勤めの方でも部下を持つなど教える立場になって、読書習慣がない人は致命傷だと思いましょう。

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人になにかを伝えるとき、いちばん説得力を持つのは、一次情報です。
つまり、自分の体験ですね。
世のなかには波瀾万丈な人生を歩んでおられる方もいらっしゃいます。
でも、どんな人でも体験は自分一人分しかありません。
自分の体験、見聞をベースにして、どんなふうに応用できるか。
他人にも成果が出せるように、アレンジできるか。
そいう引き出しをたくさん持つには、どうすればいいか。
ひとつには、自分のノウハウで成功した、事例を持つこと。
あるいは、人間関係をとおして、自分が得た気づきをさまざまなシーンに落とし込んでみること。

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そこまでやっても、自分の人間関係の半径数kmくらいしか、話はひろがっていきません。
もっと遠くまで、もっと高くまで、あるいは次元を超えても通用する普遍的なノウハウにするには。
過去の事例にあたる。
現状をリサーチする。
未来の可能性を予測する。
こんなとき、示唆を与えてくれるのが本なんです。
ピンポイントで情報を知りたいときは、webでも検索性、速報性に優れた一面があります。
でも、ひとつのテーマについて体系だててまとめられている点については、本のほうが勝っています。
本をあまり読まないひとには、本に対して大きな誤解があります。
本から有益な情報を得ようとか、本で回答を探そうという読みかたは、
読書として間違っています。
本から有益な情報を得ようとか、本で回答を探そうという読みかたは、本を資料としてしか読んでいません。
それは読書じゃない。
勉強です。

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勉強や研究や調査を否定はしません。
そういう読みかたも必要です。
でも、お勉強的な本の読みかたしかできないから、いつまでたっても本をイヤイヤ読むことになるんじゃないでしょうか。
本は、自分の思考をまとめるために読むんです。
著者のアタマを借りて、この本の著者ならこう考えている・・・ことについて、自分ならどうか。
有益な情報を得ようとか、答えを見つけようなんて、よくいえば立派な目標、悪くいえば邪心があるから、それらが見えてこないと、読んでいる途中であきらめる。
なんだか裏切られた気持ちになる。
「本代、返せ」とさえ思ってしまう。

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それは勘違いです。
本に過剰な期待を寄せ過ぎです。
本なんて、なんの見返りも回答も期待せずに読むものです。
200ページのうち、2行でも響くフレーズがあれば「ラッキー」くらいでいいんです。
そのくらいのノリでいいんです。
いっさいアテにしない。
だからこそ大量に読む。
おなじテーマでも違う著者のものを読むと、視点の違いでいろいろなことに気づきます。
おなじ著者でも過去の作品と近作では、表現が違って、進化していたりします。
そこに、いろいろな気づきがあります。
どういう読みかたをするか。
それによってなにに気づくか。
自分だけの着眼点ができること。
それが読書による最大の恩恵です。
藤原さんもこの本のなかで、大量に読むことを勧めています。
なんでもそうですが、ある程度、量の稽古をしないと見えてこないことがあるんです。
ただし、やみくもに量をこなしても質は向上しない。
読書もおなじです。
この本には、量稽古におすすめの本も紹介されていますので、ご参考に。
本を読んで得た気づきは唯一無比です。
それが“伝える人”としての自分の武器になります。
藤原さんは『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』でも、読書について言及しています。
あわせて読まれると、読書だけでなく、仕事をするうえでのヒントにもなるでしょう。
ぜひ、本を読む人しか手にできないものをゲットしてくださいね。
では、本日もアドバンストな一日を。
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