最初にお詫びしておきます、この記事に「お金のブロックの外し方」は書かれていません。
「お金のブロック」を扱うのって心理学になるのかな? 門外漢なので、「お金のブロック」それ自体に、あれこれ言うつもりはありません。これは言葉とイメージの話です。
「お金のブロック」とは
「お金のブロック」って、いつ頃から使われるようになったんでしょう。
グーグルで「お金のブロック」を検索すると、33,500,000件ヒットしました。さんぜん・さんびゃく・ごじゅうまん!!
20ページの検索リストの中で、もっとも古い記事が2013年6月。つまり、8年以上前から使われていたことは確かです。
わたしが知ったのは、それよりすこし後、2015年頃だと思います。当時は、まだそれほど知られていませんでした。ある起業セミナーで講師がこう尋ねたくらいですから。
「みなさん、“お金のブロック”って知ってますか?」
ご存知のように「お金のブロック」とは、お金に対して抱いているネガティブなイメージのことですね。そのために積極的な行動を起こせなくなることも含むようです。
そうと知ったのは、じつはそのセミナーより後なんです。講師が答えを言わなかったのではありません。「お金のブロック」と聞いて、わたしの頭の中にひろがったのはそう、こんな感じ↓。
金の延棒製ブロック塀といいましょうか、お金がうず高く積み上がって、万里の長城のように連なっているイメージ。
「すごい! なんてゴージャス!! 目もくらむ!!!」
違いますね。間違ってますね。
でも、頭の中はキンキラキンの万里の長城でいっぱいになってしまいました。想像をふくらませているうちに「お金のブロック」の意味を聞きもらしてしまったのです。
いやー、世の中にはすごいものがあるもんだ…そう思い込んでいたのに…。
のちにその講師の著書で本来の意味を知って呆然としました…。
だって、“お金の”+“ブロック”、ですよ?
「コンクリートのブロック」と聞いたら、「コンクリートでできたブロック」を思い浮かべますよね?
「レゴのブロック」と聞いたら、「レゴ社製のブロック」を思い浮かべますよね?
「ヨガのブロック」と聞いたら、「ヨガで使う樹脂製のブロック」を思い浮かべますよね?
なのに「お金のブロック」だけは、なぜ「お金でできたブロック」ではないのでしょう。
不思議でなりません。
「お金でできたブロック」をイメージする人の割合
実際の意味と自分の想像があまりにもかけ離れていたので、ひとまずこの記憶を忘れることにしたのですが…。
先日参加したブックライター・戸田美紀さんと才能プロファイラー・北端康良さんのclubhouseで「思い込み」をテーマにしたRoomが開かれ、「お金のブロック」が話題になりました。
そこで「お金のブロック」について「お金でできた(壮大な。笑)ブロック塀」をイメージした人がいるかどうか、尋ねてもらったのです。すると、参加者約60人中2人の手が上がりました。つまり、わたしを入れて3人。割合でいえば5%ですね。
う、うれしい…。
母数が少ないので数値の信頼性はイマイチですが、少数とはいえ同志がいて安堵しました。
わたしは知らない言葉を聞くと、音感や漢字などから意味を類推して、頭の中にイメージを描きます。そういう思考回路なのです。
誰でもそうだと思っていたので、知らない言葉を聞いたら頭が真っ白になる人とか、知っている言葉やふだんよく目にしているものでも頭の中にイメージを描けない人がいると知ったときはショックでした。小学校低学年くらいの頃かな…。
「想像だけで絵を描けるのは才能だよ」と気づかせてくれた大人たちがいたので、デザインの仕事をしています。
わたしとおなじように「お金のブロック」といえば「お金でできた(壮大な。笑)ブロック塀」をイメージする人たちは、どんな思考をするんでしょう。すごく興味あります!
「お金のメンタルブロック」なら理解できる
逆に「お金のブロック」と聞いて、本来の意味がすぐわかった人たちにも聞いてみたい。
「お金のメンタルブロック」なら理解できます。長いから「メンタル」を略すのもわかります。でも、最初から「メンタル」が省かれていてもわかったのはどうしてですか。
想像ですが、もともとお金に対するネガティブなイメージを持っていた場合、「お金のブロック」という言葉がトリガーになって、モヤモヤしていた概念を言語化できた、とか。
とはいえ、わたしだって昭和ヒト桁世代の両親から古い経済観念の刷込み教育を受けています。お金に対してポジティブな思いだけを抱いているわけではないのに、メンタルブロックは思い浮かびませんでした。
あるいは、ブロック=メンタルブロックだと、わたしが認識する以上に共有されているのでしょうか。それも考えられますね。
そして本来の意味を知っても、わたしにとって「お金のブロック」は、やはり金の延棒でできた万里の長城です(しつこい↓)。
それはもう、講師の説明が耳に入らなくなるほど、わくわくするヴィジュアルです。お金のブロックを外すとか、解くとか言いますが、べつに外れなくても、解けなくてもいいです。いや、むしろ解かないで。
本来の意味で使うときは「お金のメンタルブロック」と読み替えることにします。
新しいイメージを上書きする
そのclubhouseで、美紀さんがおもしろいことをおっしゃっていました。
「その金の延棒でできた万里の長城をゆうゆうと歩くわけやね」
ああ、そのイメージはありませんでした!
とっさに浮かんだのが、昨年、亡くなったピエール・カルダンのドキュメンタリー映画『ライフ・イズ・カラフル!』でも紹介された、万里の長城でのファッションショーのラストシーン。まさにこれ↓。
ピエール・カルダンは約40年前、世界で初めて万里の長城でファッションショーを行いました。映画には2018年のショーが収められています。
この城壁がすべて金でできていて、赤いトレーンを引きながら白いドレスで踊るようにウォーキングする自分を想像する…。
おー、これこそ「お金のブロック」の新しいイメージでしょ!
それでは、イメージトレーニング用に、2018年ピエール・カルダンの万里の長城ファッションショー、フル動画をリンクしておきます。マスネの『タイスの瞑想曲』にのせたエンディングは圧巻です。
では、本日もアドバンストな1日を。
戸田美紀さんと北端康良さんのclubhouse、次回は5月30日21時より。Roomはこちら。
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