人生は、クリエイティブ・ディレクション:50代からの「おしゃれの学校」

服選びに「正解」はあるのだろうか

服選びが難しくなっている?

 

最近、服選びが難しいと感じている人が増えているようです。

ファッションスタイリングの仕事を始めた5、6年くらい前までは体型が変わってきたとか、ライフステージが変わって昔の基準では服選びができなくなったという声をよく聞きました。

そのために骨格診断や顔診断、カラー分析など、選ぶ方法がたくさん提案されました。一般の方に服選びのアドバイスをする同業者ーパーソナルスタイリストやイメージコンサルタントも増えました。

 

このところ耳にするのは「服は似合うものを選ぶのが正解ですか、それとも好きなものを選ぶのが正解ですか」とか「プロに勧められた服が気に入りません。たしかに似合うとは思うんですが、自分らしくない気がして」とか。

 

なるほど。わからないのでいろいろ試してみたら、ますますわからなくなりました、ということでしょうか。

 

 

難しく考えすぎですよ。

服なんて「好き」で選んでも、「似合う」で選んでも、目的や値段、着やすさなど、どんな理由で選んでも正解です。
「それじゃあ正解なのに、釈然としないのはなぜ」…ですか?

 

「正解」はひとつではない

 

では逆に質問したいのですが、ファッションに正解はあるのでしょうか。

いや、この質問は適切ではないですね。あなたが知りたいのは、「わたしに『正解』のファッションはありますか」でしょう。

 

お答えします。あります。ただ、正解はひとつではありません。無数にあります。

最初に言ったように、「似合う」で選んでも、「好き」で選んでも、目的や値段、着やすさ、どれで選んでも、あなたが「気に入った!」と思えばそれが「正解」です。カンタンですね。

 

それでも釈然としないのは、心から「正解」と思える服にまだ出会えてないからでしょうか。正解がたくさんあると、かえって決定打に欠ける気がするかもしれませんね。

  

大事なことなので補足しておきますが、ファッションにいわゆる「正解」は存在します。たとえばフォーマルなどドレスコードがある場合や仕立て服のサイズなどです。和装にも厳格なルールがあります。

 

でも、そこまでルールを厳守しなければならない機会が、日常生活にどのくらいあるでしょうか。ビジネス、地域社会などそれなりに制約があるとしても、「これを着たら罰を受ける」ほどではないはずです。裸なら公然わいせつ罪で逮捕されるでしょうが。

 

限られたケースを除いて、服選びに「正解」を求めすぎるのは、おすすめしません。なんにでも正解があると考えるのは受験戦争の弊害です。間違いのないおしゃれなんて、つまらないわ。

 

 

「不正解」の服を選ばない方法

 

無数に「正解」があるわけですから、最低限「不正解」をしない方法をお伝えします。

 

服を選び、手に取って「こんなの着たくない」と感じた服は着ないこと。
これだけです。

だって、着たくない服を着ても気分が上がりませんからね。気分は表情に出ます。



お店にはたくさんの服が並んでいます。そのなかに気になるものがあれば、一次予選は通過です。その服が、あなたの「なにか」を刺激したのです。
アンテナに引っかかった「なにか」を確かめましょう。その服を手に取って。着たくなりましたか。

 

勘違いなら、棚やラックに戻してください。よくあることだから、気にしないで。

ただし「こんなの着たくない」理由が「いままで着たことないから似合わないに決まってる」とか「こんな派手な服着たら、ご近所さんになんて言われるかわからない」なら、服を広げて、さわってみてください。

着る前にふれることは大事です。スピリチュアルではありません。服はずっと肌にふれているので、さわって心地よいということは、二次予選突破おめでとうという意味です。そしたらその服を持って試着室にGO!
 

とはいえ店員さんのいるお店には行きにくい。
試着したら買わなければならない。

そこがプレッシャーな方はGUZARAH&Mをお勧めします。お客さまの年齢層も幅広く、店員さんもお客さまに近寄ったりしません。

 
試着室に入ったら、着る前にネガティブなことを考えるのはやめましょう。ここであなたは「ひとり」です。家族や友人、世間の誰の目もありません。あなたの感じたことがすべてです。

 

いいですか。
服を着た鏡に映る人を見て、「この人、好き!」と思えたら、それでいいのです。

 

 

試着室でチェックすべきこと

 

試着の際にチェックするべきは「似合う」とか「細く見える」とか「若く見える」ではありません。まして「気にしているお腹やお尻が隠れる」などでは毛頭ありません。

 

その服を着たあなたを、あなた自身が「好き」と思えることこそ最重要です。もし、あなたがそう思うなら、他人にもそう感じる人が必ずいます。

 

「思ってたよりカッコいいんですけど…」

「わたしって意外とイケてる!」

「まだまだ捨てたもんじゃないですね」

「こんな服を着こなせるなんて、びっくりしました」

 

これらはみんな、試着室から出てきたときの、お客さまの第一声です。

服をお選びする前に、お客さまには必ず「なりたい自分像」についておたずねします。 「なりたい自分」とは、まったくの別人になることではなく、自分では知らなかった別の一面に気づくことです。
服1枚で、それをわかってもらうことができます。さらにヘアメイクを変えれば、どんな人にもなる(=見せる)ことができます。ただし、装っている間だけ。逆にいえば、服とヘアメイクにできるのはそこまでです。

 

 

服選びの「正解」より大事なこと

 

残念ながら試着を何度繰り返しても「この人、好き!」な自分になかなか出会えない方がいらっしゃいます。同様に、骨格診断やカラー分析を繰り返し、多くのスタイリストにコンサルを受け、それでも「似合う服がわからない」「好きな服が見つからない」とおっしゃる方も、すくなからずいらっしゃいます。

もちろん、アナリストやスタイリストの力量やお客さまとの相性もあるので、一概にはいえませんが、その場合、問題は「服」ではありません。

 

服はもちろんヘアメイクにも、人生を変える力があります。でも、服に過剰な期待をしてはいけません。これは、おしゃれ好きな方にもお伝えしたいのですが、服などたかが服なのです。

 

あなたにしか似合わない奇跡の1着などありません。そんな夢想は危険な現実逃避です。
自分の性格を知り、体型を受け入れ、「こうありたい自分」に近づこうと装い、ふるまおうとするのは、自分をたいせつにし、向上しようという心がけのあらわれです。それは、服に正解があるかないかより大事なことです。

だいたいいままで「正解」の服に出会ってないのは、あなたが知る範囲の服しか着てこなかったからです。だとしたら「正解」の服は、いまだかつて着たことのない服のなかにあると思いませんか。

着たことがないタイプの服を着るのは、慣れない人には、ちょっとした冒険かもしれません。でも、安心安全ゾーンを踏み出すから、気づくこともあるのです。

髪を切って気に入らなければ、伸びるまで時間がかかりますが、服は着替えるだけいい。試着室で何度失敗してもかまいません。どんどん間違えて、おしゃれの経験値を上げましょう。お財布も痛まないしね。「試着」はもっともリスクの少ない自己投資です。

 

人生には服より重要なことがたくさんあります。あなたの時間とエネルギーという貴重なリソースは、そちらに集中して、「おしゃれ」はもっと気軽に楽しみましょう。


では、本日もアドバンストな1日を。

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