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光文とカッパ〜『いだてん〜東京オリムピック噺〜』第25回 時代は変る

大河ドラマ『いだてん』ブログをお送りしています。

第25回、田畑政治編が始まりました。

お江戸日本橋の上で四三と政治がすれ違い、物語の主人公が入れ替わり。



マラソンの父は、文字通りのいだてんでした。 水泳の父は、口がいだてん。 朝日新聞に入社し、希望どおりの政治部へ。 仕事はそっちのけで水泳にうつつを抜かし、ビッグマウスにふさわしい行動力で、大蔵大臣・高橋是清から補助金を調達。 真打になった孝蔵の『火焔太鼓』の名調子にのせて、テンポよく昭和の幕開きです。

<あらすじ>
いだてん後半の主人公がいよいよ登場! 四三(中村勘九郎)がまさかの3度目のオリンピックに出場し、負けて帰ってきた報告会で「負けちゃ意味がない」と息巻く若者が現れる。田畑政治(阿部サダヲ)である。30歳で死ぬと予言され、体の弱かった彼は、自分が生きている間に日本水泳を世界レベルに引き上げようと血気盛ん。朝日新聞に記者として入社し、政治家の大物・高橋是清(萩原健一)にも接触。震災不況でオリンピック参加に逃げ腰の治五郎(役所広司)や金に厳しい岸 清一(岩松 了)も驚く多額の資金援助をとりつけてみせる。(NHK公式サイトより)

 

予想はしてましたけど、金栗四三とはぜんっぜんタイプが違いますよね、田畑政治って。
すでに第一部からちょろちょろっと顔を出してましたが、ほんと落ち着きのない。
でも、どこか憎めなくて。 いろんなことをやらかしてくれそうです。

さて、今年は元号が「令和」に変わりました。

ドラマで取り上げられた「光文事件」は有名です。
平成から令和になるとき、ハフポストの記事で読みましたが、昭和から平成に変わるときも、新聞か雑誌かで取り上げていたことを思い出しました。

時代は変わり、媒体は変わっても、人間が興味をもつことはあまり変わらないのかもしれません。


参考 世紀の大誤報「光文事件」とは? 大正、昭和、平成の元号スクープ合戦を追った | ハフポストハフポスト

「光文」といえば、本好きの人なら光文社を思い浮かべるでしょう。
雑誌『J.J』『CLASSY』『VERY』の出版社です。 そして、数々のベストセラーを連発し、新書ブームをつくったカッパ・ブックスの版元。

光文社は、講談社から派生しました。 社名は、講談社の創立者・野間清治が大日本雄弁会と講談社をひとつにしようとしたときに思いついたもののようです。
両社は結局、大正14年に社名を「大日本雄辯會講談社」とします。
つまり「光文」を思いついたのは誤報事件より前なんです。

光文社の創立は昭和20年なので、ほとぼりが冷めるのを待ったのでしょうか。

よほど気に入ってたんでしょうね。
というのは、この本の受け売りですが…




ところで、「光文」をリークし損ねた政治ですが、そういえば彼のあだ名も「カッパ」でした。

名文として名高いカッパ・ブックス誕生の言葉はこちら↓。

「カッパは、日本の庶民が生んだフィクションであり、みずからの象徴である。カッパは、いかなる権威にもヘコたれない。非道の圧力にも屈しない。なんのへのカッパと、自由自在に行動する。その何ものにもとらわれぬ明朗さ。その屈託ない闊達さ。裸一貫のカッパは、いっさいの虚飾をとりさって、真実を求めてやまない。たえず人びとの心に出没して、共に楽しみ、共に悲しみ、共に怒る。しかも、つねに生活の夢をえがいて、飽くことを知らない。カッパこそは、私たちの心の友である」


いやもう政治のキャラそのもの!
カッパって単に泳ぎがうまい人のことじゃない。

これは第二部、ますますおもしろくなりそうです。
過去のことはすでに語られ、第一部ほど時代が行ったり来たりすることはないだろうから、新作だと思って離脱した人も戻ってくればいいのに。

ちなみにカッパ・ブックスは文庫ブームのあおりで2005年に光文社新書と入れ替わるようにして歴史を閉じます。
いまこそカッパのような人物の登場が待たれている気がしますが。



カッパの才覚、高橋是清とのやりとりは来週じっくり見せてくれるのでしょうか。
ショーケンの遺作、さみしいけどたのしみです。






【今回のタイトル:時代は変る】


第二部の初回に、このタイトル、このナンバーである理由は、大きく3つあると想像しています。


ひとつは主人公が交代したこと。

四三の時代から政治の時代へ。
ドラマは大正から昭和へ。


次に、この曲が1964年に発表されていること。


1964年、すなわり東京オリンピックの年。
その頃、この曲が最新ヒット曲としてラジオから流れていたんですね(多分)。



そしてもうひとつは、ドラマ『いだてん』に通じるものがあること。





当時、アメリカはベトナム戦争真っ最中。
ディランやピート・シーガー、ジョーン・バエズといったフォークシンガーがプロテストソングを通して反戦と平和を訴えていました。

溺れたくなければ泳ぐしかない、いま先頭を走っている者もいつかは追い抜かれる、時代が変わっていく間にと歌うこのナンバーは、まるで『いだてん』の裏主題歌(笑)。

この曲の歌詞は、ディランが1961年1月、ケネディ大統領の就任演説を聞きながら書いたといわれています。

当時を象徴するキーワードをたくさん含んだ歌詞ですが、変化を受け入れられない人は沈んでいくというメッセージには普遍性があり、50年以上たっても色褪せていません。




それにしてもボブ・ディランがノーベル賞を受賞する日がくるとは。


第一報を聞いたとき、最初に浮かんだのがまさにこの曲。
そして次回のタイトルは、『明日なき暴走』。

洋楽フォークやロックの名曲がつづきますが、それも含めて時代は変わったなと。


ネタが尽きない『いだてん』、次回もたのしみです!

では、本日もアドバンストな1日を。





※タイトル画像キャプチャ:NHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』公式サイト

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