立石剛さんのインタビュー2回めは、一般社団法人 日本パーソナルブランド協会代表理事として、全国8ヶ所で主催されている、セミナー講師の甲子園「セミナーコンテスト」について伺いました。

セミコンは今年、開催10周年の佳節を迎えます。

セミコンは、セミナーやセミナー講師になりたい人だけのイベントではないことは、前回お話いただいたとおり。

 

立石剛さんに聞く(1)セミナー講師と出版

 

セミコンがいかにおもしろく、充実した大会になるか。

鍵を握っているのはオブザーバー(観客)のみなさんなのです。

そこで今回は、オブザーバーとして参加するセミコンの魅力、楽しみかたについて伺いました。

 

オブザーバーの力が、セミコンをもっと楽しくする 

セミコン地方大会は、なぜ無料なのか

―セミコンの地方大会の入場料は無料ですよね。

『<決定版>セミナー講師の教科書』には、セミナーの費用に無料はおすすめしないと書かれています。

セミコンはコンテストなのでいわゆるセミナーとは違いますが、無料にしている理由はなんでしょうか。

立石 これについては過去に何度も考えました。

ひとつは、出場者もセミナー内容も決まった上で参加者を募集するグランプリ(※有料)と違って、地方大会の場合、告知の時点では誰が出るか決まっていないこともあるからです。

そこが大きな違いですね。

もうひとつはセミコンの開催主旨に関することです。

主催者としては有料にしたほうが学ぶ意欲が高いお客さまが集まるのは確かです。

一方で出場者の立場になれば、無料のほうが気軽に友人や会社の同僚などを誘いやすい。

声をかけられた人も、たとえセミナーに関心がなくても、家族や親しい人が出るとなれば話は別です。

地方大会だと家族対抗歌合戦じゃないですけど、出場者の応援団が集まります。

大会後の懇親会で、ある出場者の同僚の方から「会社で見る彼とは違う一面が見られてすごくよかった」と聞きました。

セミコン出場を機に、人間関係がよくなったという話もよく聞きます。

もし有料だったら、興味のあるセミナーなら参加するでしょうが、興味がなければ参加しないでしょう。

無料だからセミナーの受講生ではなく、応援団として参加しているんですね。

そこに意味があるんです。

 

そして友人や知人が出場したことに触発されて「次は自分が出てみよう」という人が現れます。

2013年のセミコングランプリで優勝した堀江昭佳さんも、もとは友人の応援で参加したのがきっかけです。

東京や大阪など都心部と違い、地方はセミナーに参加してもらうこと自体、ハードルが高いんです。

セミナーが開催される機会も少ないですしね。

そんななかでセミナーに関心がある人を増やし、セミナー講師に興味を持っていただくきっかけをつくりたい。

そのためにもあえて有料にはしていません。

 

2015年12月19日セミコングランプリ2015敗者復活戦

  

人を採点しているようで、じつは自分を採点している

―セミコンに参加すると、オブザーバーとして出場者の採点をします。

初めて採点をする方に、気をつけておきたいことがあればお願いします。

立石 セミコンでは毎回、発表前に「誰に対してつくったセミナーか」を講師に言ってもらいます。

ですからオブザーバーの方には、講師が思い描いているお客さまになりきって採点していただくことが大事です。

そうすることで採点が初めての方にも、いいセミナーとは何かが見えてきますから。

 

—いいセミナーとは、どんなセミナーですか。

立石  お客さまに「やってみよう!」「これなら、わたしも変われる!」と思わせるセミナーです。

なぜそう思うのか—それは対象者になりきるからこそ見えてきます。

また、「自分ならこうするのに」とか「こういうテーマならどうかなあ」とか、採点していくなかで考えることもあるでしょう。

気になる改善点が見つかったとしたら、それは自分にとって大事なことだからでもあります。

 

そんなふうに、採点のおもしろいところは、他人の採点を通して自分の価値観が見えてくるところです。

採点によって新しい自分を発見するかもしれませんね。

最終的にオブザーバーと審査員の採点を集計して順位が決まります。

そのとき、自分の採点と結果がおなじであれば、それはそれで楽しいでしょう。

そうでなかったとしても「わたしにとっての1位はあの人」でいいんです。

採点することで自分にとって大切なことに気づいていただければと思います。

 

―では、ご自身が採点の際に心がけておられることを教えてください。

たとえば順位を決めるとき、採点に差がなかったときなど、なにが順位の決め手になりますか。

立石 セミコンの目的は「人と社会を輝かせるセミナー講師の輩出」ですから、それをより強く感じさせる人ですね。

具体的には人柄です。

出場者とは対策講座や練習会などで顔を合わせますから、大会までに人柄がわかります。

この人は将来的に活躍するだろうな、というのは肌で感じます。

オブザーバーのみなさんにも伝わっていると思いますよ。

 

誰でも好き嫌いがあって、好きな人には評価が甘くなります。

好印象を与えられるということは大きな強みなんです。

採点表には人柄をジャッジするところはありません。

意外と採点表にない部分で判断しているものなんですよ。

たとえば、品質がいい商品が売れるとは限りませんよね。

いくら品質がよくても、嫌いな商品は買わないのとおなじです。

 

順位をつけても勝敗にこだわらず、誰もが活躍できる

―コンテストには順位があります。

順位をつけることについては、どうお考えですか。 

立石 順位をつけることについては、セミコンを始めた頃から、たまに議論になることがありました。 

違うテーマのセミナーを比較するのは、野球とサッカーを同じ土俵で戦わせているようなもので、もともと無理があるのではないかという意見があります。

たしかに一理あると思います。

 

でも、順位をつけるからこそ、大の大人が必死になり、優勝すると涙することもある。

こういう経験は社会人になるとなかなかありません。

 

では勝てなかった人が報われないかというと、そうでもないんです。

負けた人は悔しいでしょうが、負けたからこそ得られるものがあります。

 

「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし 」と言いますが、負けるには必ず理由があります。

それに気づかず、この先も講師をやっていくのと、負けを通してなにかに気づき、講師を続けていくのとでは、その後の成果に大きく差が出るはずです。

事実、過去のセミナーコンテストを振り返ると、悔し涙を流した人が、翌年、大きく成長するところをたくさん見てきました。

 

じつは私自身も営業マン時代、コンテストではずっと負けっぱなしだったんですよ。

何度、悔し涙を流したことか。

でも、その経験があったからこそ、いまこうしてコンテストの企画や運営に活かすことができていると実感しています。

 

セミコンタイムスケジュール

2016年5月から対策講座が3回になりました。参考:第31回セミナーコンテスト大阪大会(日本パーソナルブランド協会)

 

—セミコンは大会前の1〜2ヶ月前から準備期間がありますね。

「これから講師をめざそう」という人たちの大会なので、対策講座やプレ大会などのサポートがあります。

コンストの出場者というとライバルと思いがちですが、セミコンは“同期生”であり“仲間”というのが、ほかの大会とは大きく異なるところですね。

立石  そうです。

ひとつの大会を仲間といっしょに、心ひとつにしてつくっていく・・・ 

だから結果的にどんな順位であっても、その人なりの価値や意味を見いだせます。

周囲も勝ち負けだけで判断したりしません。

 

また、セミコンの運営は、原則としてセミコン出場経験者やSKY(セミナー講師養成コース)の卒業生がボランティアでおこなっています。

卒業生にスタッフをお願いするのは、理由があります。

ひとつはセミコンの主旨や目的を理解しているので、出場者やオブザーバーに、いい雰囲気として伝わること。

もうひとつは、スタッフになるとセミコン対策講座を無料で再受講できる特典があること。

一度受けたセミナーを再度受けることで、理解が深まって行動に移しやすくなるんです。

さらに集客から開催まで、セミナーの運営方法を実践的に学べることです。

将来、講師として活躍していくには、地方大会クラスのセミナー運営にかかわっておくと、自主開催するうえで、とてもいい経験になるでしょう。

 

セミコンスタッフには、司会、PC、タイムキーパー、撮影、演出、音響、接客、受付、広報などさまざまな役割があります。

一人ひとりがそれぞれのポジションで、出場者をサポートしています。

みんながお互いの力を認めていて、セミコン卒業後にも活躍の場がある。

勝敗で価値が決まるのではなく、お互いを尊重して助けあえる。

そういう理想的な社会をめざしているのがセミコンなんです。

 

 

COLUMN/セミコンにオブザーバーとして参加されるみなさんに

セミコンの魅力のひとつは、ふだん自分の身近にいるような人が10分の発表をとおして輝く、その瞬間に立ち会えることだと思います。

私が出場したときは、足は震える、声は小さい、緊張してアゴが上がる(笑)。

でも、聴き手にはそういうふうには見えなくて、すごい講師に見えるんです。

でも実は、超緊張していて、人前で話すのも苦手な人が多い。

そういう人がすこしだけ勇気を出して1歩を踏み出す最初の場です。

だからこそあたたかいまなざしで応援いただきたいということ。

そして、よかったら「もし自分が出場するとしたら」と考えながら、参加してほしいと思っています。

ひとつ、お願いがあります。

発表のときのリアクションは、やや大げさに感じられるくらいでちょうどいいんです。

ぜひ、ふだんの1.5倍くらいの意識でお願いします!

私は2014年に初めてオブザーバーとして参加し、昨年出場をして、今年はスタッフをやっています。

セミコンの主役は7人の出場者ですが、雰囲気づくりはオブザーバーのみなさんにしかできません。

発表のときに助けられたのは表情豊かに反応をしてくれるオブザーバーの方々でした。

よい発表は出場者の力だけでなく、オブザーバーの聴く姿勢からも生まれます。

せっかく半日という時間を割いて参加されるのですから、積極的にセミナーを楽しんでいただければうれしく思います。

必ず、なにかをつかんでお帰りいただけると信じています。

 

セミコン大阪スタッフリーダー、
セミコングランプリ2015 ファイナリスト/書ムリエ 池上 晋翔

 

インタビューは、次回につづきます。

 

bookcan2016

 

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では、本日もアドバンストな一日を。

 

 

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miyuqui yamada

講師、講演家、コンサルタントなど人前に立つ人の外見と内面を装いでイメージアップする専門家。 34年間クリエイティブ業界において、アパレル、化粧品、流通大手企業をクライアントに、広告制作・販促・編集企画のディレクターとして、数百回のプレゼンと2500名以上の成功者の取材・寄稿に関わり、「勝つ人」「成功する人」の外見に興味を持つ。92〜95年、外資系化粧品会社にて2000名以上の女性にメイクとファッションのセミナーを実施。2014年STYLE&PLAN設立。自身のプレゼン、講師経験をもとに衣装を担当したクライアントがセミナー講師コンテスト入賞・優勝を続々と果たす。その勝率は8割。「セミナー講師、服装」の検索においてはGoogle検索1位。