こんにちは、日本一のレッドカーペット・ウォッチャーにして、日本で唯一のレッドカーペット評論家、ヤマダミユキです。

あ、いつも言いますが、こんなことしてるヒマ人は「日本でただひとり」という意味です。

 

それはファッションといえるのか

2015年、リアーナが3人のお供を従えてグオ・ペイのローブで登場したとき、メット・ガラは“ファッション界のお祭り”という垣根を超えました。

 

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総重量25kg、製作期間2年。

2010年に発表されたこのドレスは、またたく間にさまざまなコラをほどこされて、世界中に拡散しました。

 

オスカーやゴールデングローブ賞といった授賞式や映画祭などでは、ベストやワーストドレッサーを選出するのが恒例です。

近年は、セレブがスタイリストを雇い、よくも悪くも「残念な」ファッションを見ることは滅多になくなりました。

スタイリストの多くがセレブを掛け持ちしているからです。

 

本家オスカーのレッドカーペットが平均化されていくのに対し、ヒートアップする一方なのが、“ファッション界のオスカー”の異名をとる「メット・ガラ」です。

 

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一般消費者としてしかファッションと関わることがないひとにとって、ファッションがわからなくなるのは、こうした奇抜な装いを目にしたときではないでしょうか。

 

ふつうの感覚では理解できない。

目立てばいいのか。

アレのどこがおしゃれなのか。

 

きっとそうお思いでしょう。

さらに、ひとりの装いがジュエリーも加えれば100万ドル(約1億円)を下らないといえば、驚くのを超えてバカバカしくなるかもしれません。

 

ファッションは、アートか否か

それは長い間、ファッションとアートに携わる人々の間で議論されてきました。

この映画でも、取り上げられています。

 

ゴルチェもシャネルのラガーフェルドも、ファッションはアートではないと答えます。

でも、美術館でアリシア・キーズにアレキサンダー・マックイーンの作品を解説したり、自分の作品が展示しているのを見つけたゴルチェの表情は嬉々としていて、誇らしげですらあります。

 

メット・ガラを主催するアナ・ウィンターと美術館のキュレーター、アンドリュー・ボルトンは、まったくおなじ考えではありません。

でも、ファッションのアートとしての側面をもっと認められたい、地位を高めたいと考えている点についてはおなじです。

1点の衣装にかける創造的なエネルギーと技術の価値が、芸術作品に匹敵することを知っているからです。

 

わたし自身は、ファッションはアートだと確信しています。

すべてのファッションが美術館に入るべきだとは思わないし、すべての“衣料品”がアートとは思っていません。

でも、ユナイテッドヌードの靴やイッセイミヤケのプリーツプリーズ、スティーブン・ジョーンズの帽子は、もっとも身近な、アートとしての側面をもった日常品です。

 

奇抜なものを見たときに、ひとはなぜ違和感があるのか。

よくもわるくも既成の価値観を揺さぶられるからです。

 

冒険や挑戦は、フルマラソンやチョモランマの踏破だけではありません。

新しい美の価値観を提示したり、古い慣習を打ち砕くのもチャレンジです。

しかも、かなり難度の高い…。

 

それをもっとも斬新な形で問い続けているデザイナーのひとりが、コム・デ・ギャルソンの川久保玲です。

今年の展覧会のテーマが川久保玲、メット・ガラのドレスコードは「アヴァンギャルド」でした。

 

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“プラダを着た悪魔”のもうひとつの顔

米VOGUE誌編集長、アナ・ウィンターがメトロポリタン美術館服飾部門の理事であることは、ファッション好きの日本人にもあまり知られていないでしょう。

彼女の貢献によって美術館は2015年までに1億2千万ドル(日本円で133億円以上)を調達。

それが評価されて同部門が「アナ・ウインター・コスチュームセンター」に改称されているほどに。

 

3日徹夜のスタッフを気遣い、セレブの席順に頭を悩ませ、自らスタッフとともにテーブルを移動させる姿も、この映画ではとらえられています。

“プラダを着た悪魔”のニックネームばかりが有名ですが、彼女はファッションの社会的地位向上と啓蒙活動に身を捧げる美の僕であり、闘士でもあるのです。

 

ファッションはあまりにも身近で、ふだんはあまり深く考えることはないでしょう。

この映画を観て、ファッションのアートとしての側面に自分なりの意味を見出してもらえればと思います。

その経験は、いままで着たことのない服に袖を通す勇気を与えるきっかけになるかもしれません。

 

では、本日もアドバンストな1日を。

 

5月9日、大阪でこの映画を観て、レッドカーペットについてレクチャーするランチ会を開催します。

◆ファッション・ランチョン5月9日・大阪の会
 映画「メット・ガラ」を観て、レッドカーペットファッションを語ろう!

    フォーマルファッションミニセミナー(テキスト付き)
    5月9日 9:30〜 シネリーブル梅田 集合(上映9:40〜11:11)残席3
 ランチ会 ウェスティン大阪 1Fロビーラウンジ 
11:30〜13:30
           


※オリジナルミニテキスト(36ページオールカラー文庫サイズ)。レッドカーペットやフォーマルドレスの豆知識、ガラのいわれ、ファッションブランドとレッドカーペットの裏話、レッドカーペットを歩くときの心得などをご紹介しています。
 
参加費:5,400円(税込)映画チケット、飲食費(3,000円程度)は除く
映画「メット・ガラ」公式サイトはこちら
定員6名
  

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miyuqui yamada

講師、講演家、コンサルタントなど人前に立つ人の外見と内面を装いでイメージアップする専門家。 34年間クリエイティブ業界において、アパレル、化粧品、流通大手企業をクライアントに、広告制作・販促・編集企画のディレクターとして、数百回のプレゼンと2500名以上の成功者の取材・寄稿に関わり、「勝つ人」「成功する人」の外見に興味を持つ。92〜95年、外資系化粧品会社にて2000名以上の女性にメイクとファッションのセミナーを実施。2014年STYLE&PLAN設立。自身のプレゼン、講師経験をもとに衣装を担当したクライアントがセミナー講師コンテスト入賞・優勝を続々と果たす。その勝率は8割。「セミナー講師、服装」の検索においてはGoogle検索1位。