「着る」ということを考えるなら、私は地球上にあるものなら何でも着られるとおもう。

光でも木でも飛行機でも壁でもビルでもテレビでも電気でも黒板でも着られるという自信がある。

私はあらゆるものを着なくてはいけないんだとおもっている。

—山口 小夜子

 

こんにちは。

ファッション・プランナー/スタイリング・カウンセラー®のやまだみゆきです。

 

小夜子さんに取材をしたのは、1988年くらいだったと思います。

 

 

広告や編集の仕事で、あとファッションマーケティングのグループインタビューなんかも加えたら、2,500人くらいの人に取材・寄稿してるんですが。

あとにもさきにも、こんなに緊張した取材はありませんでした。

 

ところが“東洋の神秘”といわれた小夜子さんは、いたってほがらか。

大きく口をあけて、アハハと笑うひとでした。

 

タバコはジタン。

吸い殻はおおむね長さがおなじで、灰皿にきちんと並んでいたことを憶えています。

 

勅使河原三郎さんのダンスに魂を揺さぶられるほど衝撃を受け、気がついたら押しかけ入門していた大胆な行動力と几帳面すぎるくらいの美意識の高さ。

 

好きすぎて、ほんとうに存在するのかどうか疑いすらもっていた憧れのひとは、きわめて人間っぽい女性でした。

 

小夜子さんがモデルデビューした1970年代はハーフモデル全盛期。

何度オーディションに行っても落とされ、外人っぽいメイクをしろ、髪を染めろと言われながら、決して従わなかったそうです。

この次ダメだったらモデルはあきらめる、と決めて臨んだオーディションに合格。

それが、ブレイクのきっかけになった山本寛斎さんのショー。

 

この展覧会では、山本寛斎さんや小夜子メイクを完成させた富川栄さんとの仕事がたくさん紹介されています。

 

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「もし、モデルになってなかったら」と伺ったら、デザインとかスタイリングとか、なにかものをつくることに関わっていたかも、美しいものが好きだから・・・

 

その答えを裏づけるように、小夜子さんのスクラップブックやコレクションがたくさん展示されているのも本展の特徴です。

 

スクラップも独自のやりかたでコラージュをするなど、ただ美しいものが好きというだけでなく、美しいものを創造する情熱にあふれていることが伝わってきます。

 

ランウェイから離れてからも、パフォーマーとして、女優として、デザイナー、アーティストとして、ファッションや美しいものをつくることに関わっていた小夜子さんの人生は、“着る”ことで一貫していたのでした。

 

 

小夜子さんが亡くなって7年。

 

憧れのひとって、とてもとても遠い反面、心のなかではむしろ身近な存在です。

いないのがあたりまえだからこそ、つねに存在を感じるみたいな・・・

 

ひとりのファンとして、実際にお目にかかり、お話を伺うという貴重な機会を得られて、ほんとうに幸運でした。

 

スタイリストの高橋靖子さんが寄稿された『婦人画報』の記事がこちらで一部読めます。

面識ある方は、やはり繊細さと大胆さのギャップに、とても魅力を感じるようです。

ほんの少しでも、そんな一面をみられたこと、取材に真剣に(でも楽しそうに)応じてくださったことに、いまさらながら感謝の気持ちでいっぱいです。

 

では、本日もアドバンストな一日を。

 

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山口小夜子 未来を着る人
・会場/東京都現代美術館 
・会期/2015年4月11日(土)~6月28日(日)
・入場料/一般=1,200円、大学・専門学校生・65歳以上=900円
 中高生=600円 
・休館日 月曜日
・開館時間 10:00~18:00 *入場は閉館の30分前まで

 
※資料参照:山口 小夜子 未来を着る人(Internet Museum)「山口小夜子 未来を着る人」 永遠の表現者 その魂に触れる(産経ニュース『美の扉』)

※関連催事:資生堂THE GINZA 「赤、小夜子と踊る」特別展示 

速報!今秋、ドキュメンタリー映画が公開『氷の花火 山口小夜子』

 

 

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miyuqui yamada

講師、講演家、コンサルタントなど人前に立つ人の外見と内面を装いでイメージアップする専門家。 34年間クリエイティブ業界において、アパレル、化粧品、流通大手企業をクライアントに、広告制作・販促・編集企画のディレクターとして、数百回のプレゼンと2500名以上の成功者の取材・寄稿に関わり、「勝つ人」「成功する人」の外見に興味を持つ。92〜95年、外資系化粧品会社にて2000名以上の女性にメイクとファッションのセミナーを実施。2014年STYLE&PLAN設立。自身のプレゼン、講師経験をもとに衣装を担当したクライアントがセミナー講師コンテスト入賞・優勝を続々と果たす。その勝率は8割。「セミナー講師、服装」の検索においてはGoogle検索1位。