役者や歌手、講師のように人前に立つ仕事をしていても、驚くほどあがり症の人が多いです。

有名な俳優のなかには、もともとあがり症を克服するために演技を学び始めた人もいると聞きます。

 

あがり症や緊張をほぐすための方法はたくさん紹介されています。

残念ながら、どの程度の効果をうむのか、わたしにはわかりません。

なぜかというと、わたしはほとんど緊張しないタイプだからです。

子どもの頃からそうでした。

 

緊張しやすい方には「うらやましい」と言われますが、実感がありません。

性格的なものかと思っていましたが、そうでないことは、ある経験を通してわかりました。

あがり症の方にすれば、対極の存在。

いろんな方法を試してうまくいかなかった方の参考として、書いてみます。

 

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“あがり症”の人の気持ちと感覚がわかった経験

わたしの趣味は、ダンスです。

発表会など数十人規模のショーケースから、2000人キャパの大ホールで踊ったときも、ほとんど緊張しませんでした。

 

そんなわたしが「これはイカン」「ほんまヤバい」くらい緊張したことがあります。

それがセミナーでした。

 

まだセミナー講師養成コースに通っていた頃です。

初めて、手が震えるほど緊張するって、どういうことかわかりました。

滝汗ってこういうことだと知りました。

たった5分のミニセミナーでも動悸が・・・

これでは心臓がもたん、と思いました。

 

20代の頃、パーティーで踊ったときの写真。衣装は新聞紙でした。この頃から“イロモノ”でした(笑)。

 

それまでは舞台に立つまでは多少ドキドキしても、本番が始まるとごく自然に集中モードに入れました。

でも、セミナーではまったくダメでした。

  

このままだと卒業発表どころではありません。

最終日に総仕上げとして10分間のセミナーをするのです。

とてもやりきれる自信がありませんでした。

 

答えはすでに知っていた

解決のヒントが見つかったのは、卒業発表の前日でした。

セミナーのスライドに使う自己紹介の部分に、過去の自分の作品を掲載していたのですが、写真を差し替えることにしたんです。

そのとき、久しぶりに自分がつくった機関誌を読み返しました。

あるコンテストで優勝した人のインタビュー記事。

ステージでいちばんイキイキと楽しそうだった彼女に、その理由を尋ねた部分です。

 

「お客さまに楽しんでもらえると、わたしも楽しくなるんです。

それがわたしにとって、いちばん楽しいことだから」

 

 

天の啓示でした。

何年も前のことで、すっかり忘れていたのです。

そして書いたときには、その本質がわかってなかったんですね。

 

矢印の向きを変える

セミナーの主役はお客さま。

それまでわたしは「伝えたい」「わかってほしい」、

その気持ちばかりが先立っていました。

「こんなこと言ったらスベらないかな」

「ちゃんとやらなきゃ」

「10分なんだから、丸暗記して覚えておかないと」

 

自分にばっかり矢印が向いてました。

 

違う!

 

セミナーの主役は受講生。

楽しんでもらえるように。

ひとつでもノウハウを持ち帰り、「やってみよう!」と思ってもらえるように。

一人ひとりの表情をよく見よう。

そういう意識に変わりました。

 

すると緊張するとか、しないとかに意識が向かなくなりました。

 

翌日、初めてリラックスしてセミナーができました。

とても楽しく、アドリブも入れてしまったので、最後の1分が巻きになるほどでした。

 

SKY16期、いまもこの仲間に支えられていると感じます。

 

ヘタクソだったからこそ

それ以来、ようやく緊張しないでセミナーで話せるようになりました。

同時に、なぜダンスの発表会で緊張しなかったか、わかりました。

 

ダンスは典型的なヘタの横好きです。

長年やってる割には、初級から上に行けません。

 

かろうじて立ってますが、見る人が見れば、ツッコミどころ満載のいかにヘタッピかわかる証拠写真。後ろの黄色いチュチュの人がほんとうに上手な人です。

  

じつは練習が大好きです。

練習しすぎで膝に水を溜めたり、肉離れを何度も起こし、整形外科と接骨院の常連でした。

リハビリで水泳を始めたくらい。

 

ヘタクソだけど、踊ってるだけで、とにかく楽しい。

誰になんといわれてもかまいません。

「ヘタクソ」といわれたら、じょうずな人は傷つくかもしれない。

でもわたしはホントにヘタクソなので傷つきません。

才能がないことを好きになってしまったのでしょうがない。

好きなことがヘタクソだと、あまりにおこがましくて、承認欲求がうまれません。

そのぶん舞台でも稽古場でも、純粋に楽しむことに集中してきました。

そこに“自我”はほとんどありません。

 

他人の評価を気にしないことが、緊張しない理由だったといまは思います。

一方で、セミナー講師として登壇するときは、あまりにも評価を気にしていました。

 

もちろん、講師として登壇する場合、受講生に対する責任がともないます。

趣味とはあきらかに立ち位置が違います。

 

でも、ベクトルを誰に向けるか、わたしは間違っていました。

 

緊張してないときのアタマはほぼ、“カラッポ”です。

ぶっ飛んでアタマが真っ白になっているのとは違います。

気持ちは、“シアワセ“ヨロコビ”で満たされているからです。  

 

とはいえ、緊張しない性分のわたしでも、まわりの評価を気にしたとたん、あがり症に変貌します。

あがり症は、「まじめで努力家、責任感が強い」ことの裏返しかもしれません。

 

まじめで努力家、責任感が強いことを否定することなく、そのベクトルをお客さまに向ければ、いい意味での“緊張感”に変わるのではないでしょうか。

 

緊張しやすい方のヒントになればさいわいです。

 

では、本日もアドバンストな一日を。

 

 

 

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miyuqui yamada

講師、講演家、コンサルタントなど人前に立つ人の外見と内面を装いでイメージアップする専門家。 34年間クリエイティブ業界において、アパレル、化粧品、流通大手企業をクライアントに、広告制作・販促・編集企画のディレクターとして、数百回のプレゼンと2500名以上の成功者の取材・寄稿に関わり、「勝つ人」「成功する人」の外見に興味を持つ。92〜95年、外資系化粧品会社にて2000名以上の女性にメイクとファッションのセミナーを実施。2014年STYLE&PLAN設立。自身のプレゼン、講師経験をもとに衣装を担当したクライアントがセミナー講師コンテスト入賞・優勝を続々と果たす。その勝率は8割。「セミナー講師、服装」の検索においてはGoogle検索1位。