セレブの部屋、第4回のゲストは北摂国際特許事務所代表・弁理士の福永正也さんです。

弁理士って?

wikipediaによれば、こういうお仕事ですね。

1. 弁理士は、優れた技術的思想の創作(発明)、斬新なデザイン(意匠)、商品やサービスのマーク(商標)に化体された業務上の信用等を特許権、意匠権、商標権等の形で権利化をするための特許庁への出願手続代理や、それらの権利を取消又は無効とするための審判請求手続・異議申立て手続の代理業務を行うものである。


 

工学部出身、システム開発者として10年以上のキャリアをおもちの弁理士は業界でも唯一の存在。

とくにソフトウェア特許がご専門です。

くわしいプロフィールはこちらから。

 

撮影協力:ALTO5

 

福永さんはセミナー講師としても活動されていて、以前からぜひとも「コンサルタントやセミナー講師が知っておきたい知的財産権」についてお伺いしたいと思っていました。

このほど動画教材『もう知らなかったではすみません!セミナー講師のための知っておくべき知的財産』をリリース。

わたしもさっそく視聴したら、やっぱり「どうしても直接お話が聞きたい!」ということでお時間をとっていただきました。

 

知的財産権の種類

「知的財産権について(2)知的財産権の種類」(特許庁)の図表を加工して作成。知的財産権とひと口にいってもたくさんありますが、ブログだと著作権、ロゴをお持ちなら商標権などが関わってきます。

 

コンサルタントや講師にとって、なぜ知的財産権の知識が必要なのか。

理由はふたつあります。

ひとつは人前に立つ、教える立場にある者として、情報発信においてもお手本であることを求められるからです。

もうひとつはコンサルや講師にとって「信用」こそ財産。

知らないうちに法律違反はしたくありません。

残念ながら仕事で関わらない限り、知的財産権について学ぶ機会はほぼありません。

わたしは法律の専門家ではないので、もしかしたら法にふれていることに気づかないまま、情報発信をおこなっていたかもしれません。

だからこそ、専門家に学んで、自信をもって、安心して情報発信をしたいと思いました。

わたしとおなじように、みなさんにもこの記事が役立つことを願っています。

 

なぜ、いま知的財産権なのか

「知らなかった」ではすまない、知的財産権入門

—福永さんもわたしもブログで情報発信をおこなっています。

また、facebookなどSNSもやっています。

昨今、セミナー講師として、またコンサルもおこなっている立場で、知的財産権—とくに著作権の知識なしに仕事ができない状況になっていると思うんです。

これについてはふたつの側面があります。

ひとつは自分の権利を侵害される場合、もうひとつは相手の権利を侵害してしまう場合です。

前者は自分がつくったものを“パクられる”ことですが、これはひとまず横に置いておいて、きょうは後者の「相手の権利を侵害してしまう場合」を中心にお伺いします。

それというのは、やはり自信をもって情報発信していきたいからです。

「知らなかった」では許してもらえない判例もたくさん出ていますから。

そして、1点、お願いがあります。

できるだけ難しい法律用語や専門用語を使わないで、解説をお願いしたいんです。

そういうの、苦手で・・・お願いできるでしょうか。

福永 だいじょうぶですよ、ご安心ください(笑)。

 

—よかった(笑)。

では、さっそくですが、講師やコンサルがブログやSNSで情報発信をおこなう上で、最低限知っておきたいことを教えていただけますか。

福永 あたりまえのことですが、オリジナルの文章や写真を使うことですね。

文章のコピペはしない。

他人のブログやSNS、画像検索でヒットした写真を許可なく使わないといったところですね。

 

—無断で使用するとどうなりますか。

福永 著作権侵害は親告罪といって、著作権者が訴えない限り、罪には問われません。

とはいえ、違法であることは知っておいていただきたいですね。

 

罪に問われないからといってそれに甘んじてもらっても困るんです。

違法であるということは、訴えられたら最後、勝てる見込みはないわけですから。

「知らなかった」「悪気はなかった」では通用しません。

問題あるものを削除するだけではすまず、損害賠償も避けられないでしょう。

 

—著作権にはグレーゾーンもあると聞きましたが。

福永 違法かどうか専門家によっても見解がわかれる部分ですね。

加えて、違法ではあるものの、これまでの慣例や社会通念上、黙認されていることも多いんです。

ただ現実解として係争になるか、ならないかは経済の原則に従います。

つまり費用対効果です。

損害賠償を請求する場合は、訴えたほうが具体的にどのくらい被害を受けたかを証明しなければなりません。

訴えても多額の費用と労力、そして時間がかかります。

それらと賠償金との釣り合いがとれないなら、あえて権利を行使せず、いわゆる“お目こぼし”状態にしているわけです。

 

また、あとでくわしく説明しますが、一定の条件のもとであれば、ブログに他人の著作物を使用することもできます。

“引用”というのですが、引用と盗用とをどこで線引きするか、判断が難しいケースもあります。

 

誤解してほしくないのは、著作権法の最大の目的は“文化の発展”に寄与することなんですよ。

そこには、“創った人の権利を守ること”と“創られたものを公正に利用すること”のふたつの側面があるわけです。

 

TPP合意で、親告罪から非親告罪へ?

—なるほど。

単に「勝手に使うな!」というための法律ではないわけですね。

ただ、おっしゃるように専門家ですら見解がわかれる著作権の解釈は、素人には難しいです。

時代とともに変化している面も感じます。

福永 そうですね。

しかも今後は非親告罪になる可能性があります。

ご存知のようにTPPの大筋合意によって、著作権法も変更されることになりそうだからです。

法律としてはまだどういう内容にするか決まっていませんが、非親告罪になれば、困ったことが起きるかもしれません。

 

たとえば海外で50万円のセミナーを受講してきて、そのノウハウをまとめ、日本語訳して5万円で販売するといったビジネスが普通におこなわれています。

著作権者が使用してよいと認めていればいいのですが、ほとんど未許可です。

非親告罪になれば、権利者が告訴しなくても警察が悪質と判断すればOKですから、タレコミが増えるかもしれません。

 

じつはこれまでも著作権侵害が表沙汰になるのは、いわゆるタレコミによるケースがほとんどなんです。

非親告罪となれば、権利者の告訴も必要なくなりますしね。

もちろん、なんらかのセーフティネットは設けるでしょうが、一定額以上の利益を見込むものは、ほとんどNGと考えておいて間違いないでしょう。

 

—タレコミ!それはちょっとイヤですねぇ・・・

福永 そうでしょう?

日頃から人間関係をよくして、仕事上では敵をつくらないことが大事です(笑)。

という冗談はさておき、すこし面倒かもしれませんが、今後報道されるTPPにともなう法改正のニュースにはよく目を通しておかれることをおすすめします。

とくに講師やコンサルタントであれば、自ら商用サイトを運営されている方も多いでしょう。

正しい知識が必要になってきますからね。

 

撮影協力:ALTO5

 

 

・・・いかがでしょう、知的財産権について知る必要性があること、おわかりいただけたでしょうか。

関心をもっていただいた方に、おしらせがあります。

 

=動画教材『もう知らなかったではすみません!セミナー講師のための知的財産』配信中!=

今回はふれていない「著作権を侵害された場合」についても解説されています。

動画の詳細とお申し込みは、こちらから。

 

次回からはいよいよ、ブログで情報発信する際の注意点などについてくわしくお伺いします。

お楽しみに。

 

では、本日もアドバンストな一日を。

(取材日:2016年4月21日)

 

 

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miyuqui yamada

講師、講演家、コンサルタントなど人前に立つ人の外見と内面を装いでイメージアップする専門家。 34年間クリエイティブ業界において、アパレル、化粧品、流通大手企業をクライアントに、広告制作・販促・編集企画のディレクターとして、数百回のプレゼンと2500名以上の成功者の取材・寄稿に関わり、「勝つ人」「成功する人」の外見に興味を持つ。92〜95年、外資系化粧品会社にて2000名以上の女性にメイクとファッションのセミナーを実施。2014年STYLE&PLAN設立。自身のプレゼン、講師経験をもとに衣装を担当したクライアントがセミナー講師コンテスト入賞・優勝を続々と果たす。その勝率は8割。「セミナー講師、服装」の検索においてはGoogle検索1位。