スタイリングからクリエイティブまで、あなたの強みを“見える化”する、アドバンスト・スタイリストのやまだみゆきです。

 

初公開された屋根つきの回廊・ガレリアコペルタ。通りの装飾は短めだったけど、その分、天井は豪華でした。

 

今年もなんとかルミナリエを観ることができました。

 

前日の強風で、噴水公園のスパッリエーラが倒壊するというアクシデントがあったものの、東遊園地と旧居留地の通りは無事。

 

YouTube Preview Image

倒壊した噴水公園の光のファウンテン。復旧されなかったが、近隣の飲食テントは翌日には再開。

 

1995年の開催以来、ルミナリエ詣でを1度も欠かしたことがありません。

わたしにとっては1年の感謝と来年への決意のためのイベントです。

東京に住んでいた頃も、毎年、必ず帰省しました。

ルミナリエのためだけに戻ったこともあります。

 

ルミナリエは国内有数の人気イルミネーションイベントです。

もともとは1995年、阪神淡路大震災の鎮魂をこめて開催されたのが始まりです。

 

市役所の展望階から観たスパッリエーラ。壮観です。

 

当時、わたしは外資系化粧品会社に勤務していました。

勤務地は神戸。

1月16日は日曜でしたが出勤していました。

あの夜みた三ノ宮の繁華街のネオンが、最後の記憶になるとは思ってもいませんでした。

 

じつは前年末までに、わたしは転職が決まっていました。

勤務先が震災で壊滅状態になり、もとの職場に行くことはおろか、上司にもスタッフにも、一度も顔を合わせることがないまま、2月に退職。

家をなくして避難所に身を寄せているスタッフや亡くなられたお客さまもいたことは、東京本社のマネージャーから聞きました。

線路が寸断されていて、神戸に行きたくても行けない事情があったものの、悔いが残りました。

 

 

そんな状態で、大阪の企画会社に勤めるようになりました。

東北の震災のときもそうだったのですが、ファッションとかビューティとか、エンターテイメントにかかわっているひとたちのなかには、迷ったり、悩んだりしたひとたちがいました。

生きるか、死ぬかの瀬戸際で、自分たちがやっていることには、どんな価値があるんだろう—と。

 

わたしも神戸の震災のとき、それで悩みました。

3日前まで瓦礫の下にいた女性が、親戚のいる大阪に身を寄せていたところ、会社から呼び出されたものの、まともな服も化粧品もない。

なけなしのお金とクレジットカードを持って、大阪の百貨店に行ったという話を退職前に聞きました。

 

化粧品だって服だって生活必需品なんだ。

そう思っても、なにか釈然としませんでした。

まだ若かったんです。

 

2014年のスパッリエーラ。これも市役所の展望階から。

 

すこしずつ復興に向けて神戸が動き出した頃、ルミナリエが開催されました。

会場がもとの勤務先に近かったこともあり、懐かしさもあったのが訪れたきっかけです。

 

光のイベント、とは聞いてはいました。

ただ、具体的にどういうことかはよくわかっていなかった。

でも、会場を歩きながら、わたしは涙がこぼれてとまりませんでした。

 

道路はまだあちこちに瓦礫が残っていました。

ヒビの入った壁面に、アーチを支えるケーブルが止められていました。

よく通ったラルフ・ローレンのショップは更地になっていました。

 

ここはもう、自分が知っている街じゃない。

そこに、これまで見たことのない光が灯っている。

 

美しいと思いました。

 

歌舞音曲もなにもない。

ただ、光の装飾が並んでいるだけです。

その光の美しさに、心が揺さぶられました。

人間は、こんなにも美しいものをつくることができる。

美しいという、ただそれだけのことで、人を感動させることができる。

そのことに感動しました。

 

美しいものは、人に力を与えられる。

美しいものは、希望を与えられる。

 

わたしは美しいものに救われました。

これまでしてきたように、美しいものをつくる仕事をつづけたい。

それが自分にできることだ。

 

それから仕事に対する迷いは、いっさいなくなりました。

 

会場近くにあるマリーナ像。震災の記憶をとどめるために、5時47分のまま、時計が止まっています。必ず、彼女にも挨拶をします。

 

生き残った者は、無念にも亡くなられた方のぶんまで、生きる使命を負っていると感じます。

水と食事だけで人は生きていけません。

最低限のものが満たされたとき、必ずそれだけでは足りなくなります。

それは欲ではありません。

向上心です。

美しさもまた、人がよりよく、より豊かに生きるために必要な糧なのです。

 

1年に1度、ルミナリエを訪れます。

それは、そのとき感じたことを思い出すためです。

 

2013年のスパッリエーラ。一眼を使うようになってからは毎年かなりの枚数を撮っています。

 

世のなかに、確かなことはなにもない。

でも、来年も開催されればきっと行く。

それだけは断言できます。

 

では、本日もアドバンストな一日を。

 

YouTube Preview Image

開催終了日の消灯式。儀礼隊による敬礼、そして消灯—ルミナリエは本来、慰霊祭なんです。

The following two tabs change content below.

miyuqui yamada

講師、講演家、コンサルタントなど人前に立つ人の外見と内面を装いでイメージアップする専門家。 34年間クリエイティブ業界において、アパレル、化粧品、流通大手企業をクライアントに、広告制作・販促・編集企画のディレクターとして、数百回のプレゼンと2500名以上の成功者の取材・寄稿に関わり、「勝つ人」「成功する人」の外見に興味を持つ。92〜95年、外資系化粧品会社にて2000名以上の女性にメイクとファッションのセミナーを実施。2014年STYLE&PLAN設立。自身のプレゼン、講師経験をもとに衣装を担当したクライアントがセミナー講師コンテスト入賞・優勝を続々と果たす。その勝率は8割。「セミナー講師、服装」の検索においてはGoogle検索1位。