すべての女性はどの色が似合うべきかを知っているべきだ。
—ヨハネス・イッテン(『色彩論』より)

 

こんにちは。

アドバンスト・スタイリストのやまだみゆきです。

 

「これ、“100いいね!”だわー」と言っていたきよりんのブログです。

 

きよりんも書かれているように、パーソナルカラーにかかわっていると「好きな色が似合う色とは限らない」というフレーズにいやというほど出くわします。

 

このフレーズがマスコミによく登場するようになったのは、1990年前後ではないかと思います。

この本がまさに1990年発行で、わたしが最初にパーソナルカラーの養成校に通った頃、読みました。

写真にはありませんが、帯のコピーには「日本女性の90%はピンクが似合わない」と書かれていました。

ショッキングですよねぇ(気にしないで着てますけど)。

 

 

昨日のYさんも当初、「SPRINGの色が好き」とおっしゃってましたが、結果的には違ったわけです。

だからといって、これが「好きな色が似合うとは限らない」を補強するとはいえない、というのがわたしの考えです。

 

Yさんの場合、SPRINGの色が好き、というより、SPRINGのカラフルさに惹かれていました。

SPRINGの色は黄みを多く含んだクリアな色なので、ほかのどのグループよりぱっと目を引きやすいのです。

でも、WINTERにも鮮やかでクリアな色がたくさんあり、似合うとわかると、すぐ好きになりました。

 

ひとはいろいろな理由でなにかを好きになったり嫌いになったりします。

たいていは個人的な経験と関係があります。

 

いい想い出や好きなひとと結びついている色は好きになり、イヤな想い出やキライなひとと結びついている色はキライになるのがひととして当然の反応です。

 

それらは偶然が重なって起こります。

 

たまたま。

似合っているのに、妬ましくてけなすひともいます。

たまたま。

似合ってなかったけれど、あなたを喜ばせたくて、ほめるひともいます。

他人からの評価をいっさい気にせず、自分のこころに正直になれば、わたしたちは案外、似合う色がわかっているような気がします。

 

パーソナルカラーの原点は、スイスの美術家、ヨハネス・イッテンの“主観的色彩特性”にあるといわれています。

 

人はそれぞれに、美しさについて独自の考えを持っていること。

さらに、その人が心の底から美しいと感じる色合いとその補色は、その人に似合うこと。

人間の思考や感情、行動パターンは、そのひとのカラダの配色からほぼ類推できること・・・

 

イッテンの経験と考察をもとにまとめたのが、カラーアナリストの必読書のひとつ、『色彩論』です。

図版を引用します。

 

イッテンが調和する配色の事例として出した作品に対し、生徒から「それは不調和だ」とクレームがついたため、各人が調和していると感じる配色で課題を制作させたところ、一人ひとりの外見と美しいと感じる配色には関連があるとして研究を進めました。その配色パターンは4つに分類され、四季の名称をつけたことが、後年、パーソナルカラーの開発につながったといわれています。出典:The Art of Color by Johannes Itten

 

パーソナルカラーの研究が進んだいま、イッテンの主張がどのくらい正しいかは、検証する必要があるでしょう。

 

ただ、色の仕事にかかわるなら、パーソナルカラーの原点が、「その人が美しいと感じる色が似合う色」という、イッテンの“偉大な気づき”にあることを忘れないでおきましょう

 

パーソナルカラーについてすこしでも学んだことがあれば、イッテンの主観的色彩特性について知らないひとはいません。

 

にもかかわらず、「好きな色が似合うとは限らない」といやになるほど繰り返されてきたのは、パーソナルカラーの重要性を一般の方に気づいていただくためのキャッチフレーズとして利用されてきたということでしょう。

 

好きな色は似合う色だったと専門家にお墨付きをもらえれば、自信をもって着こなせますよね。

色合わせが苦手でも、おなじカラーグループなら分量に気をつければ失敗はしません。

 

それでももし、好きな色が似合わない色だったとしたら?

はい、攻略法をご提案できるのがプロでございますから、安心してご相談くださいね。

 

ちょっと言葉は悪いかもしれませんが。

これからの時代、お客さまを脅さなくても色をもっと楽しんでいただけるようにナビゲートしていくのが、パーソナルカラーをアドバイスするひとの役目です。

 

では、本日もアドバンストな一日を。

 

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※amazonの商品説明はひどくて、イッテンの『色彩論』ではなく、ゲーテのほうの『色彩論』の解説になっています。

これ、どうやってamazonに報告すればいいのかしら。

 

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miyuqui yamada

講師、講演家、コンサルタントなど人前に立つ人の外見と内面を装いでイメージアップする専門家。 34年間クリエイティブ業界において、アパレル、化粧品、流通大手企業をクライアントに、広告制作・販促・編集企画のディレクターとして、数百回のプレゼンと2500名以上の成功者の取材・寄稿に関わり、「勝つ人」「成功する人」の外見に興味を持つ。92〜95年、外資系化粧品会社にて2000名以上の女性にメイクとファッションのセミナーを実施。2014年STYLE&PLAN設立。自身のプレゼン、講師経験をもとに衣装を担当したクライアントがセミナー講師コンテスト入賞・優勝を続々と果たす。その勝率は8割。「セミナー講師、服装」の検索においてはGoogle検索1位。