こんばんは、アンチョビーズのバックコーラス、ミーです。

クリスマスをふくむ3連休、いかがお過ごしでしょうか。

 

クリスマスは西洋文化圏最大の季節歳時。

クリスマスにちなんだロックの名曲も山ほどありますが、前回からの流れでトム・ウェイツのクリスマスがらみを紹介します。

純粋なクリスマスソングとはいえませんが、「クリスマスの奇跡」を信じたくなる1曲です。

 

“酔いどれ詩人”とも呼ばれるトムは、つねづね作家のチャールズ・ブコウスキーとよく比較されます。

実際この曲は、ブコウスキーの初期の詩集“Roominghouse Madrigals”にある一節にインスパイアされたもの。

この詩集は邦訳されていないので、わたしも未読ですが、たしかに短編集『町でいちばんの美女』に含まれた一編といわれても違和感ない、ブコウスキーの作品世界を彷彿させるような曲なんですね。

 

歌詞はだいたいこんな感じ。

チャーリー(おそらくブコウスキー本人)のもとに、ミネアポリスに住む街娼からクリスマスカードが届きます。

彼女は妊娠したらしく、酒もドラッグもやめたと言います。

トロンボーン奏者のダンナの子どもではないけど、彼は「誰の子だったとしても自分の子として愛する」と言ってくれている…

そんなふうに彼とのささやかだけど、しあわせな日常がしたためられています。

ところがおめでたい話と思ってたら、じつは作り話だったというオチが!

しかもチャーリーにお金の無心をするんです。

でも、そのお金を弁護士に払ったら、ヴァレンタインデーには仮出所できるの、という展開なんですよ〜〜。

 

クリスマスカードが届く時期というのは、アメリカでは感謝祭が終わった後くらい(11月末から12月初旬)。

日本でもイルミネーションが輝きはじめる時期ですよね。

その時期、彼女は刑務所にいるわけです…

 

YouTube Preview Image

 

でも、仮出所がヴァレンタインデーということは、もしかしたら彼女はチャーリーに迎えにきてほしいんじゃないかな〜。

もしかしたらプロポーズしてほしいんじゃないかな〜(日本では女性から男性に告白する日ですが、アメリカでは夫婦やカップルで愛を確認したり、男性からプロポーズすることが多い)。

なーんてことを想像せずにはいられない、ちょっと救いと希望をもって聴きたくなる曲なんですよねぇ。

 

初主演作、『ダウン・バイ・ロー』

トム・ウェイツの“語り”のような歌いかたには、そういったドラマ性を感じます。

もともと芝居っけのあるひとなんですね。

役者としても活躍しています。

『ドラキュラ』は脇役なのに、強烈な個性で主役を食うほど。

そんな彼の初主演作が、ジム・ジャームッシュ監督の『ダウン・バイ・ロー』です。

 

YouTube Preview Image

 

ジャームッシュの選曲のセンスのよさには定評がありますね。

ロックバンドでヴォーカルとキーボードをやっていたせいか、監督特権(笑)で愛好するミュージシャンをキャスティングすることもしばしば。

『ミネアポリスの女からのクリスマスカード』が、ブコウスキーにインスパイアされたものだとしたら、この映画はジャームッシュがトム・ウェイツに触発された作品です。

 

 

映画には冒頭の“Jockey Full of Bourbon”と“Tango Till They’re Sore”が使われています。

どちらも“Rain Dogs”に収録。

 

撮影のために訪れるまで、ジャームッシュはニューオーリンズを訪れたことはなかったそうです。

トム・ウェイツの音楽に刺激を受けて、脚本はたった2週間で書き上げたとか。

アーティストがアーティストの才能に火をつけるんでしょうね。

 

DJがレコードより大事にした靴

『ダウン・バイ・ロー』で印象的なシーンがあります。

映画は、落ち目のラジオDJザック(トム・ウェイツ)と恋人ロレッタ(エレン・バーキン)の大喧嘩から始まります。

部屋の窓から次々と彼の持ち物を投げ捨てるロレッタ。

殴られても、商売道具のレコードを放り出されても無抵抗だったのに、彼女がブーツに手をかけたとたん、

 

「靴はやめろ」

 

3回言いますからね。

もちろん、願いむなしくブーツは放り投げられてしまいます。

部屋を追い出されたザックは、路上にまき散らされたほかのものには目もくれず、靴だけを手にとります。

履き替えて手で拭ったあと、そばにあったボロでもう一度拭く。

 

YouTube Preview Image

 

トム・ウェイツ、実生活でもブーツラバー♡なんです。

前回紹介した“Tom Traubert’s Blues”に、「オレの大事なステイシーもびしょ濡れ」というフレーズがあります。

ステイシーとは、1875年にマサチューセッツ州ブロックトンで創業されたアメリカの老舗靴メーカー、ステイシー・アダムスのこと。

お気に入りブランドとして、音楽雑誌のインタビューかなにかで答えていた記憶があります。

 

特徴はなんといってもシャープなシルエット。

個性的な革のコンビやエナメルなど特徴のあるデザインが多いせいか、いまも昔もミュージシャンに愛用者が多く、スヌープ・ドッグにも“Stacy Adams”というナンバーがあります。

帽子と靴は、こだわりがいのあるファッションアイテムです。

劇中でもそうですが、トム・ウェイツはモンクストラップを履いてるのをよく見かけます。

デザインによってはデニムにもよく似合いますが、唯一ビジネスシューズとして例外的に認められている紐なし靴なんです。

シングルとダブルがあり、近年はエレガントで華やかさのあるダブルが人気。

トム・ウェイツみたいにポークパイハットとコーディネートしてみてください。

 

次回は大晦日ですねー。

今後も奇特な方のリクエストを気長にお待ちしてます(笑)。 

ミーのブログでDJでした。

では、本日もアドバンストな一日を。

 

 

The following two tabs change content below.

miyuqui yamada

講師、講演家、コンサルタントなど人前に立つ人の外見と内面を装いでイメージアップする専門家。 34年間クリエイティブ業界において、アパレル、化粧品、流通大手企業をクライアントに、広告制作・販促・編集企画のディレクターとして、数百回のプレゼンと2500名以上の成功者の取材・寄稿に関わり、「勝つ人」「成功する人」の外見に興味を持つ。92〜95年、外資系化粧品会社にて2000名以上の女性にメイクとファッションのセミナーを実施。2014年STYLE&PLAN設立。自身のプレゼン、講師経験をもとに衣装を担当したクライアントがセミナー講師コンテスト入賞・優勝を続々と果たす。その勝率は8割。「セミナー講師、服装」の検索においてはGoogle検索1位。