先日のエルメス・スカーフクイズはいかがでしたか。

 

クイズ:エルメススカーフ物語【問題編】

 

 

では、正解です。

 

第1問  a.

エルメスの90cm四方のスカーフは、別名“ CARRE(カレ)”。

フランス語で「正方形」という意味です。

 

 

銀座エルメスビルの設計は、イタリアの建築家レンゾ・ピアノ。

ガラスブロックを積み上げた外観は、銀座でもひときわ異彩を放っています。

このブロックを4つ並べると、ちょうどカレのサイズに。

建物と商品の美しいバランスは、こんなところにも。

 

第2問 c.

いま販売されているスカーフは、約850種類。

第一号は「Jeu des Omnibus et Dames-Blanches(オムニバス ゲームと白い貴婦人)」でした。

ちなみに“白い貴婦人”とは中央に描かれている女性たちではなく、当時パリ市内を走っていた乗合馬車の別名。

 

第3問 b.

新作には、平均8種類のカラーバリエーション(色違い)が。

春夏、秋冬の年2回、シーズンの新作が発表されます。

現在のようにシルクスクリーンで製造されるようになったのは、1951年。

木版に比べ、より多彩に、色鮮やかに図柄を表現できるようになりました。

スカーフ1枚で、平均十数色を使用。

多いものでは、30〜40色使われているとか(工房にあるインクの色見本は7万色!)。

使われている色の数だけ、シルクで型をとったスクリーンを作り、1枚1枚の位置をピッタリと重ね合わせて刷り上げます。

枚数が多くなるほど、作業は複雑に。

しかもスクリーンの重さは、1枚なんと約9kg。

いかに精度の高い技術が必要かわかります(しかも重労働・・・)。

 

第4問 c. 

「au gre du vent (風にまかせて)」は、ひなぎくの花びらが風に散るさまをデザインしたもの。

ちなみに「風をあつめて」は1971年のはっぴいえんどのヒット曲。

「風が吹くとき」は1982年、イギリスの作家、レイモンド・ブリッグズによる漫画。

1986年にアニメ映画化もされました。

 

第5問a. 

川久保玲がデザインした「Comme des Carrés(コム・デ・カレ)」は、2013年に限定販売。

山本耀司とは2008年にバッグでコラボしています。

 

 

第6問 すべて◯

それぞれのトピックについて解説します。

 

・銀座エルメスビル屋上の謎の彫像

2006年、西野達の『天井のシェリー』展。

エルメスビル改装の機会を利用して、屋上に仮小屋をつくり、この像をオブジェの一部として使用。

 

前から気になっていたあの彫像が間近に見られる!

と、張り切って出かけました。

たしか、危険なのでヒールのある靴は脱いでくださいといわれ、簡素な階段をのぼって、ブルーシートに覆われた仮小屋のなかに・・・

いやもうね、いま地震がきたら、かなりヤバいと思ったのを覚えてます。

 

作品はこちらでご覧になれるので、ぜひ見てみて!

このときお店の方に確認しましたが、スカーフは定期的に交換しているそう。

そのシーズンのデザインを使っていると伺いました。

 

この彫像に特定のモデルはいませんが、作品名は「騎乗の花火師」といいます。

そう、もとはスカーフではなく、両手には花火を持っていたんですね。

1987年、創業150周年を記念して、セーヌ川で開催された花火祭を記念して制作され、いまやエルメスのシンボルに。

パリ本店、ニューヨーク、東京の3店舗だけに飾られている貴重なもの。

銀座に行ったら、ぜひ上を見上げてみてください。

銀座に行けない方は、スカーフのオンラインブティックにも描かれているので、探してみてね。

 

・ベストセラー、ブリッド・ド・ガラにまつわるあれこれ

「Brides de Gala(式典用馬鞍)」は1957年の発売。

2000年までにすでに25万枚売ったといわれる、カレの象徴です。

いまもなお、配色やデザインをアレンジして、さまざまなバリエーションが販売されています。

モチーフになっているのは、エルメス博物館が所蔵する馬勒。

1860年、メキシコ皇帝 マクシミリアンI世からの特別注文で制作したもの。

マクシミリアンI世というと、わたしのようなアート系出身は、マネの作品を思い浮かべます。

 

『皇帝マキシミリアンの処刑( L’Exécution de Maximilien )』エドゥアール・マネ(1869年)

 

この柄の愛用者でいちばんに思い浮かぶのは、エリザベス女王! 

セレブの中のセレブに愛されるエルメスなのです。

 

・すべてのデザインに共通する、ひとつのこと

さて、カレのデザインの特徴のひとつが、4隅のデザインがすべて違うこと。

よく似ていても微妙に違うんです。

 

スライド1

 

バイアス折りをすると、どこをメインに使うかで見えかたが違うんですよね。

中心部分のデザインは結びめでほとんど隠れてしまいます。

「この柄、どうかなぁ」と思っても、まずは試してみて。

 

・日本との違い—縁かがり

日本人にとって、まつってあるのが裏面なんですが、エルメスはまつってあるのが表になります。

この縁かがりは、熟練のお針子さんが1枚30分かけて、すべて手縫いするそうです。

プレスする際は、縁のまるみをつぶさないように。

この縁かがりがシルクのハリをキープしてるんです。

 

・邦画とのコラボ

『東京島』では、映画のいろいろなポイントで使われていました。

首に巻くだけでなく、さまざまにアレンジされていたことが予告編からも伺えます。

主人公の清子は、たったひとりの女性ということで島の女王的な存在になります。

エルメスのカレを女王の衣装として使うところがおもしろい。

わたしは映画を観ていないので、ご覧になった方がいらしたら、ぜひ感想を教えてください。

映画に登場するスペシャルカラーのカレ『世界は広い』も限定販売されました(予告編の冒頭に写ります)。

YouTube Preview Image

 

 

エルメスのスカーフ物語、いかがでしたでしょうか。

ハイブランドのファッション・アイテムにはいろいろな背景や物語があります。

なかでもエルメスのスカーフほど博物誌学的な世界観のひろがりを感じさせるものはありません。

一枚のシルクに描かれたアート。

そのアートを所有する贅沢こそが、カレの大きな魅力となっています。

 

 

では、本日もアドバンストな一日を。

 

※このクイズは、これまでに開催されたエルメス主催の展覧会や実演イベントなどで見聞したことがベースになっています。
    掲出の文献などを参照して、内容は確認済みですが、2016年1月時点の情報に基づいていることをご了承ください。

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miyuqui yamada

講師、講演家、コンサルタントなど人前に立つ人の外見と内面を装いでイメージアップする専門家。 34年間クリエイティブ業界において、アパレル、化粧品、流通大手企業をクライアントに、広告制作・販促・編集企画のディレクターとして、数百回のプレゼンと2500名以上の成功者の取材・寄稿に関わり、「勝つ人」「成功する人」の外見に興味を持つ。92〜95年、外資系化粧品会社にて2000名以上の女性にメイクとファッションのセミナーを実施。2014年STYLE&PLAN設立。自身のプレゼン、講師経験をもとに衣装を担当したクライアントがセミナー講師コンテスト入賞・優勝を続々と果たす。その勝率は8割。「セミナー講師、服装」の検索においてはGoogle検索1位。