ジーンズ1本が何百円なんてありえない。
どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、
安い服を着ていていいのか。
いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。
いい物は高いという価値観も残って欲しい。
—川久保 玲 

 

rachelnan / Pixabay

 

デニムについていろいろ書いたので、
きょうはちょっと番外編。

 

“デニム”って何語だと思いますか。

 

—英語(米語)。

 

はい、正解です。

 

じゃあ、デニムの語源は?

 

—考える時間30秒。

 

じつはね、フランス語なんです。
“serge de Nim”、セルジュ・ドゥ・ニーム、
ニーム産のサージ、という意味です。
ニームはフランスの織物の街、サージというのは綾織の織物の名。

 

フランス最古のローマ都市、ニーム。古くから織物の街として栄えた。 photo:wikipedia

 

サージというと学生の制服に使われることが多い生地。
え、そんなの知らなかったって?

 

制服をアイロンがけするとテカりませんでした?
それがサージの特徴です。
だから制服のスカートのプリーツをテカらせずに伸ばすために、
マットレスの下で寝押ししてました、わたし。

 

デニムもサージも綾織の仲間です。

 

そして、地名の“de Nimes(ドゥニーム)”の部分が
英語のデニムに変化していったわけです。

 

18世紀くらいには、すでにイギリスで“serge de Nim”という単語が
使われいたことはわかっています。
でも、いつ、どういう経緯で、誰が織りはじめたかまではわかっていない。
さらにそれがどういう経路で世界中に広がっていったかも、
あまりわかっていないとか。

 

さて、デニムといえば独特のインディゴブルーを連想しますね。
日本の藍染めともよく似ていますが、それもそのはず、
「物質のレベルでは限りなくイコール」なんだそうです。

 

だからかもしれませんが、デニムの着物、なんてのもあります。

 

ふつうの着物に飽きたかたは、こんなのいいかも。
遠目には「紬?」に見えるかもしれない。

 

さらに、デニムはリサイクルできるということで、
十二単をつくっちゃったプロジェクトもあったり。

 

デニムくらい、世界じゅうで愛されているファブリックは
ちょっとないかもしれません。

 

わたしたちが生きているのは、
1本500円のジーンズと50万円のジーンズが
おなじ街で売られている時代です。
かつてのように「安かろう悪かろう」と
かんたんに決めつけることはできなくなっただけに、
価値を自分で考えて選択しなければなりません
(なぜなら、他人は外見で判断するからです)。

安いものだけが悪いわけでも、
高いものだけがいいものというわけではありません。

 

消費社会について考えさせられます。 エリザベス・L・クライン『ファストファッション』

 

自分にとってふさわしいものはなにか、
そしてその基準を自分のなかに持てばいいんです。

いま、身につけているデニムが、
どういうひとたちの手を経てきたものなのか。
また、どういう歴史的な道のりを経て、
現代に継承されているものなのか。

ファッションはただ上辺のものではなく、
歴史的、文化的、経済的な奥が深い背景ももっています。

そういう視点も基準づくりのヒントにしていただければと思います。

では、本日もよい一日を。

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miyuqui yamada

講師、講演家、コンサルタントなど人前に立つ人の外見と内面を装いでイメージアップする専門家。 34年間クリエイティブ業界において、アパレル、化粧品、流通大手企業をクライアントに、広告制作・販促・編集企画のディレクターとして、数百回のプレゼンと2500名以上の成功者の取材・寄稿に関わり、「勝つ人」「成功する人」の外見に興味を持つ。92〜95年、外資系化粧品会社にて2000名以上の女性にメイクとファッションのセミナーを実施。2014年STYLE&PLAN設立。自身のプレゼン、講師経験をもとに衣装を担当したクライアントがセミナー講師コンテスト入賞・優勝を続々と果たす。その勝率は8割。「セミナー講師、服装」の検索においてはGoogle検索1位。